志賀直哉と小林多喜二

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今日はちょっと「文学な」話題。

 

最近、「蟹工船」がブームですね。

高校の頃読んだ記憶がありますが、あまりいい印象はありません。もう一度読もうという気も起きません。

ところで、
我孫子市の手賀沼の畔に、「白樺派文学館」があります。

我孫子は、講道館の始祖、嘉納治五郎が住み、その関係から、白樺派の思想を担った柳宗悦、その妻で声楽家の兼子、そして、あの志賀直哉や武者小路実篤らが住んだ場所です。

その志賀直哉が、彼を慕う若き小林多喜二の「蟹工船」の感想を書いて送った、自筆の手紙が展示されていました。

さすが、小説の神様。

平易で簡潔な文章の中で、多喜二の才能を褒めながらも、作品の弱点をずばり指摘しています。

「芸術と思想は決して両立しません」と、強調していました。

 

多喜二は官憲に捕らえられ、非業の死を遂げましたが、作品自体は過剰に評価、美化されてしまったようです。

新たな「貧困の時代」の今、多喜二が生きていたら、どんな作品を書いてくれるでしょうか。