ああ、チャンジャ(4)・・・味の原型

その市場で出会ったチャンジャは、私の思い描いていた「チャンジャ」

とは似て在らざるものだったのです。

 

食感はぬめぬめ。エラのような奇妙なものが混じっている。生臭い。

塩がきつい・・・・・・。

 

これは何だ、とあらためて聞くと、「チャンラン」、「チャンランジャ」という

答えしかかえって来ません。

 

そこで初めて分かったこと・・・・・。

 

これが、韓国のチャンジャであり、素材は「スケソウダラ」なのだということ。

 

私が追い求めていたのは、「マダラ」でした。

 

同じ「タラ」でも、スケソウダラとマダラは、まったく別の魚です。

スケソウダラは、卵はたらこ、身は干しだら、内臓はチャンランと、食べつ

くされる韓国の代表的な食用魚です。しかし、マダラはほとんど利用され

ないものなのでした。

 

そして、帰国の時間がやってきました。

 

わずか一泊の行程しか組んで居なかった私は、その日の夕方、また日本に

舞い戻らなければ行けなかったのです。

 

しかし、この韓国横断の2日間は、ブロークンイングリッシュのキムスンキ

との、過酷ながらもエキサイティングな時間でもありました。

 

2日間、キムスンキは、あちこちの食堂に私を連れて行き、韓国の「食」とは

こういうものだ、ということを、熱弁してもくれました。

 

残念ながら、探しに行ったチャンジャは見つかりませんでしたが、この

キムスンキとの友情は残りました。

そしてその後ほどなく、彼から

「いいものを見つけたから食ってみろ」

と、ある調味料が日本に送られてきたのです。

 

それが、「コチジャン」でした。

 

米の粉と唐辛子で作る、辛味調味料です。

 

このコチジャンを、日本のチャンジャの味付け前の状態のものにつけたとき、

 

「ああ、この味だ!」

 

と、驚くことになったのです。

 

もちろん、辛い。しかし、コチジャン独特の甘味もある。日本人に向いたコクも

あります。

 

それから私の「コチジャン」研究が始まり、程なく、チャンジャの味もほぼ完成

しました。

そうして、やがちゃんの「チャンジャ」の味の原型がこの頃出来上がったと言う

わけです。

 

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