なぜ世の中には化学調味料が氾濫しているのでしょうか。
それには、理由があります。
昆布とかつおぶしのこと
昆布の旨味は、「グルタミン酸」です。アミノ酸の一種です。
これを昆布を使わずに人工的に作り出したのが、いわゆる「味の素」、つまりは化学調味料です。
また、カツオ節や煮干の旨味は、「イノシン酸」です。核酸の一種です。
これをカツオを使わずに人工的に作ったものが、いわゆる「ほんだし」、つまりはだし調味料です。これも化学調味料ですね。
化学調味料の「味の素」や「ほんだし」で、「だし」風の味は簡単に出せます。しかも、とても安く。
だから、ほとんどの加工食品では、それを使って「旨味のようなもの」を出しています。表示上は、「調味料〈アミノ酸等」となっているのは、9割以上がアミノ酸の一種のグルタミン酸、残りが核酸の一種のイノシン酸から成り立つ、「化学調味料」を使っているからなのです。
50倍以上の素材を使わなければならない
では、天然の昆布やカツオで、「味の素」や「ほんだし」と同じ強さの旨味を出すのには、どれくらいの量を使わなければならないのでしょうか?
ずばり、50倍以上です。100倍くらいかもしれないです。
何度か実験して、確認しました。感覚実験ですので、数値ははっきりと出ませんが、とにかく、50倍から100倍。桁違いです。
味の素10gと同じ強さの旨味を出すためには、昆布が最低500g必要になるということです。
コストで見れば、200倍以上!
これを価格で比べてみると、市販の味の素10gがおよそ10円。昆布500gがおよそ2000円。実に、200倍の開きがあります。ほんだしも同様です。
だから、普通の加工食品では昆布やカツオから、いちいちだしを取らないのです。
200分の一で、似たような味が出せるのですから。
ですが、こうした人工的な旨味で、本当にいいのですか?
それが本当の美味しさですか?
このことを、今後シリーズで語って行きたいと思います。