さしすせそを汚すな

さしすせそ、ご存知ですよね? 料理用語です。

さ・・・砂糖
し・・・塩
す・・・酢
せ・・・醤油(昔の仮名使いの「せうゆ」から)
そ・・・味噌(ソースではありません)

この5つの基本調味料は、さしすせそ の順番で使うことが基本です。

まず、甘み。そして塩。これを間違えると、塩味が先に立ってしまい、うまくいきません。漬物でもそうです。砂糖を使う場合は、塩より前に振ります。

酢も後から入れて、味を確認しながら量を調整します。
醤油や味噌は最後ですね。早く入れると、材料が硬くなったりします。

それはそうと、この「さしすせそ」、汚されてるんです。

汚されるというのに語弊があれば、「混ぜ込まれている」と書くべきでしょうか。

混ぜ込まれているのは、「化学調味料」「たんぱく加水分解物」「酵母エキス」などの「うまみアイテム」ですね。化学調味料はれっきとした食品添加物です。ほかの二つは添加物には分類されては居ませんが、強い旨みを呈する調味料ですね。

私、思うんです。

調味料といのは、料理の味付けをするものですよね。

たとえば、「きゅうりの酢の物」があったとします。

新鮮なきゅうりには、酢の味が良く合います。これに醤油が少し入ってもいいですよね。きゅうりの味が引き立ちますね。

この酢や醤油に、化学調味料等の混ぜものなんか不要ですよね。

もっといい例で、握り寿司。
お寿司のシャリに酢、砂糖、塩が使われているのは、寿司という食べ物を美味しくするためです。シャリに乗せられた魚の味とあいまって、また食べる直前にちょっとつける醤油の味、ワサビの味と一緒になって、ひとつの「寿司の世界」が展開されるわけですね。

それで、十分に美味しいのです。

寿司用の醤油や酢に化学調味料が入っていたらどうですか?
より美味しくなりますか?
なると感じられていたら、ご自分の味覚を疑ってください。

なぜなら・・・・

「さしすせそ」に代表される基本調味料は、それだけで強い旨みを含んでいます。
そして、食材本来の味を邪魔せずに、食材を「より美味しくする」力を持っています。

ここに、化学調味料や酵母エキス等の混ぜ物は要らないのです。

料理は。そういったものの「ニセの旨み」を感じるためのものではないからです。

料理は、食材の美味しさを最大限に表現するものです。

ですから基本調味料は、みずから前面に出ることなく、食材の自然の味を引き立てる役目を持っているのです。
調味料は料理の脇役でなくてはなりません。

化学調味料や酵母エキスは、それだけで料理の味わいを被ってしまうのです。せっかくの素材の味が、隠れてしまいます。

「アジ○○」という名の、化学調味料入りの塩。
新味醤油というような名の、アミノ酸調味料(化学調味料)入りの醤油。
「~~ぽん」とかいう名をつけられたアミノ酸調味料入りの酢。
「だし入り」と銘打って、じつは化学調味料入りの味噌。
さらには、「出汁パック」と書かれて、料理にこだわる人に人気の商品に入れられた、酵母エキス。

等々。

みな、素材を汚すものばかりです。

立派な会社の作る立派な商品ばかりですが、やがちゃんキムチでは絶対に使いません。

不要ですから。