食品添加物の使用については、多くの方が、「その安全性を危惧する」という立場で、異議を唱えています。
確かに、一定以上の使用では毒性が認められている添加物も多いのですから、確かに心配になります。
同時に私は、商品の作り手として、「添加物を使う理由」からも考えてみます。
食品添加物の中には、豆腐におけるにがり、ラーメンの麺における「かんすい」のように製品を成立させるのに不可欠のものも確かにあります。
ですが、殆どの場合は、「本来は必要のないもの」なのです。
ではなぜ、本来必要のないものを使うのかといえば、理由は簡単。
「本来必要な原材料を使っていないことで起こる様々の芳しくない現象を修整するために入れているから」です。
たとえば、全体の原材料の量を減らしてコストダウンを図ると、内容が薄くなって形にならないので、固めるために使う「増粘材」という添加物。
原料濃度が薄いためにすぐに変質しやすいので加える、保存料やPH調整剤。
高価な天然の食材は使えないので、味の補填のために使う、化学調味料(アミノ酸)。
・・・などなど。
そうなのです。
添加物を使うということは、全ては、「コストダウン」と「ごまし」の必要性からなのです。
これを否定できる人は、一人もいないはずです。私は事あるごとにこの発言をしていますが、今まで一度も反論されたことがありません。反論できるわけがないのです。
今、キムチを無添加で作っている会社は、ごくごく少数です。
少数ですから、声が小さいです。添加物を使わずに、しかも美味しいキムチを作るということがどれだけ困難なことであるかは、声が小さいが故になかなか伝わりません。
これは本当に残念なことです。
正しい声でも、小さいと伝わりにくい。悔しいですね。
天然食材だけで、一から作る。それがキムチの王道です。
そう信じて、明日からの日々も、無添加キムチを作り続けます。