家庭用のデジタルはかり、持ってますか?
1g単位で1キロか2キロまで測れるものが、1000円台で買えますので、ぜひ台所に常備してください。なぜかというと・・・・
◎料理に使う調味料の量を正確に測るためです!
料理に使う砂糖、塩、醤油、酢、酒などの基本の調味料の量を、あなたはどうやって測っていますか?
目分量?
手の感覚?
はい、それもいいです。慣れた主婦の感覚は、若い職人の腕よりはるかに頼りになります。
それでも・・・それでもなお、言いたい。「やっぱりはかりで計ってください!」と。
なぜかというと、「閾値」ということがあるからです。
閾値とは・・
たとえば、お汁粉に入れる砂糖の量が、50gのときと100gのときの甘さの違いは、100gのほうが2倍甘いと思いますか?
これは、2倍ではありません。
味の感覚というのは、味の素材がある一定の量に達するまでは、人間の脳で感じないのです。
ですから、このお汁粉の場合、5gや10gでは、「甘さゼロ」と判断してしまいます。
ひょっとしたら、50gでもほとんど甘みを感じないかも知れません。
ある時点で、甘さを感じるようになる・・・それがこの場合に言う、閾値です。
閾値が40gだった場合、50g程度では「ほのかに甘い」程度で、100gの場合は、「断然甘い」ということになるでしょう。
閾値が60gだった場合、50gでは「まったく甘さがない」ということになります。ですから、100gの場合の甘さは、50gの場合のときの2倍、ということは、無いのです。
ということは・・・
閾値を超えると、少しの量で味はものすごく変わってしまうのです。
だからこそ、「正確に計ること」が必要になるのです。
閾値はそのつど変わる
味の閾値は、素材の組み合わせや入れる順序でも違ってきます。
塩を入れると甘みが逆に強く感じられるとか、最後に入れたほうがその調味料の味を強く感じるとか・・・・味の世界は、不可思議な現象が盛りだくさんです。
こういう不可思議な現象を経験的に知っている人こそ、熟練の主婦や職人さんでしょう。
ですが、その経験を踏まえた上で、実際に調味料を使う段になって、きちんとはかりで計る。
ほとんどのプロの職人さんは、どんな場合も、それをしています。
私も、必ず計ります。
知っているからこそ、計る。
計ってくださいね。