本日のテレビのバラエティ番組で、「乳酸菌を含む食品」の効能について、放送していました。
乳酸菌は腸内の発酵環境をよくし、免疫力を高め、病気にならない体を作る!
がん予防の効果もある!だからたくさん摂りましょう・・・・という内容でした。
それには、ヨーグルトなどもそうですが、日本特有の「漬物」もいい、と強調されていました。
ですが、乳酸菌の話のときに、なぜ「キムチ」が出てこないのか。私には不満でした。
まず、乳酸菌についてまとめてみましょう。
乳酸菌とは、一般的には特定の菌のことを指すのではなく、「人間に害を与えない有用な菌の総称」として使われる言葉です。
そして、その種類や由来で、特質に大きな違いがあります。
動物性の乳酸菌は豊富で強力だが、胃酸で多くが死んでしまう
ヨーグルトなどに代表される動物由来の「動物性乳酸菌」は、その量が多量です。ヨーグルトには、1mlに少なくとも1000万個以上(時には億の単位で)乳酸菌が存在します。(そういう規定があります)
けれど、これらはほとんど、胃酸で死ぬといわれています。つまり、腸まで届かないのです。
せっかく摂っても、これではもったいないですね。
植物性の乳酸菌は、少量だけれども、腸まで届く
野菜の塩漬けや糠漬けなどには、植物性の乳酸菌があります。これは、ヨーグルトほどの量はないですが、胃で死なずに腸まで届きます。
そこで腸内環境を良くし、免疫力を高める働きをするわけです。
キムチは、動物性乳酸菌が植物性乳酸菌になる!
さて、キムチです。
キムチは、「動物性」と「植物性」の両方の側面を持つのです。
どういうことかというと・・・
●キムチのたれ(ヤンニョムジャン」に含まれる魚介の塩辛(アミエビや鰯などの塩辛)には動物性の乳酸菌が大量に含まれています。
●この動物性の乳酸菌が、白菜などの野菜の塩漬けに移り、そこで増殖します。それは、植物性乳酸菌となり、発酵が進みます。(発酵が進みすぎると、乳酸菌が分解して、乳酸と酢酸が生まれ、それで酸味を感じるのです)
こうしてできた、大量のキムチの乳酸菌は、胃で死ぬこともなく、腸まで届くのです。
腸内で善玉菌を増やし、免疫力を高めます。
そして、健康な体つくりに役立つ・・・・と、こういうわけですね。
つまり、いいキムチには、条件があるのです
この、世界にも類を見ない、動物性と植物性の両方のいい面を持つキムチの乳酸菌。
その力を発揮するためには、条件があります。
●大量の魚介塩辛を使っていること・・・です。
アミエビなどの魚介塩辛は、「旨み」を出すために使います。
ですが、大手メーカーのアミ使用キムチの多くが、それを少量だけしか使いません。それは、コストダウンのためと、少量でも使えば、原材料表示に「アミ塩辛」などと書くことができ、「本格キムチ」を装うことができるから・・・と類推もできます。
少量しか使わないから、旨みが足らなくなります。そこで、化学調味料(アミノ酸)を加えるわけです。アミ塩辛を使いながらアミノ酸表示があるわけは、こういう理由なのです。
本来、化学調味料を使う必要などないのです。
やがちゃんキムチは、おそらくもっとも塩辛・魚介を使うキムチです
よそ様のキムチのことはわかりませんが、やがちゃんキムチが、桁外れに大量の「アミ塩辛」を使っているのは事実です。その量、タレ(ヤンニョムジャン)の量の20%以上です。普通にはありえない量です。
また、アミエビ以外に、ホタテ、牡蠣、アサリを大量に使います。
こうした魚介類の総量は、タレの30%にも及びます。
だから、無添加でも旨みが出て、さらに、腸内に乳酸菌が届き、健康にいいキムチとなるわけです。