野菜の高値が続いていますね。
ご家庭でも、スーパーや八百屋さんでのお買い物に、苦労されていると思います。
多少は落ち着いたとはいえ、当店でもっとも多く使う「白菜」は、つい先日も、一玉1000円近くする値がついていて、とても商売に使える状態ではありませんでした。
この高値の原因は、夏場からの長雨や、日照不足での「生育不良」、それと、台風などの天災が産地を襲ったためとされています。野菜が育たずに、市場に出てこないのですね。
たとえばいつもは100個出されている白菜が、半分の50個しか出てこないとなれば、それを「競り」にかけて値段を決める場合、理屈上は、1個あたりの単価は倍になる、と考えられます。
ただ、そう単純ではないようです。
ひとつには、スーパーなどの大手業者と産地が直接契約をしている場合、全体の生産量が半分になっても、契約分の数量はそのまま送られるのが建前なので、その残りは、半分以下になってしまいます。
それだけでなく、産地で生産物を破棄した場合などは、「補助金」が出ることもあるようで、それがまた、市場に出る量を減らす原因になるようです。
こうした要因が複合して、野菜にとんでもない値がつく、ということのようです。
困ったものですね。
ただ、一番困るのは生産者さんでしょう。
極端に言えば、消費者は、高い野菜を食べないでも、生きていけないわけではありません。
ほかに栄養を摂る方法はいくらでもあります。
それでも、四季折々の旬の野菜や果物を、手軽に存分に味わうことは、健康的にも、精神的にも、理想の状態であるはずです。
ですが、よくよく考えてみれば、そんな流暢なことを言っていられる場合では無いかも知れないです。
元はといえば、天候異変。それを惹き起こす、環境破壊、地球温暖化や天災の問題。
もはや、自分たちの目先の利益だけを考えるだけでは、とても太刀打ちできる問題ではないのです。
日本やほかの先進国ではは人口が減り続けますが、一方では、発展途上国を中心に地球人口は激増し、食糧不足が顕在化しつつあります。
たとえば、国会で議論されている「TPP」は、日米を中心とした貿易協定ですが、大生産国であり消費国であるほかの「ある国」とも連携しなければ、本来の問題解決にはつながらないのではないか、という考え方もあります。
店頭の1個1000円の白菜を前に悩むと同時に、この地球をどうするかを真剣に全人類が考えなくてはなりませんね。