キムチは、野菜などの主素材に、ヤンニョムジャンというタレで味付けした食品です。
アミエビこそ旨みと健康成分の原点
ヤンニョムジャンには、唐辛子、にんにく、しょうがなどともに、旨みを出すメイン素材として、アミエビの塩辛が使われます。
アミエビはエビの一種です。古くから食用として親しまれているエビですが、海から上がるとすぐに劣化が始まるので、塩を入れて塩辛にして冷凍保存されます。
このアミエビの塩辛の中にこそ、キムチの重要な栄養成分である動物性乳酸菌が豊富に含まれているのです。
その乳酸菌が白菜などの野菜に移って植物性乳酸菌として発酵増殖するから、キムチは世界に類を見ない高栄養食品となるわけです。
アミエビを使わないのに乳酸菌?
ところが、市販の大量生産キムチの中には、この乳酸菌を、アミエビ塩辛を使わずに、人工的に加えて「乳酸菌数億個」などと宣伝しているものがあります。
これは言ってみれば、不完全なキムチにヨーグルトを混ぜたようなもので、とてもまともな製法とはいえません。
ところでこのアミエビですが、その名のとおり、「エビ」の一種で、旨みの宝庫です。正式名は「アキアミ」と言います。
釣りの撒き餌としてつかうのは、形も名前も似ていますが、「オキアミ」です。
オキアミはエビではなく、プランクトンの一種ですし、通常は人の食用にはなりません。ところが最近、オキアミ使用などと堂々と銘打ったキムチも現れています。
オキアミは旨みも少なく、キムチの素材としてはまったく不適当です。
「アミエビ」を使っていると誤認させて売っているとしたら、褒められない話だと思います。
アミエビは高騰しています
アミエビは乱獲がたたり、資源が減少して、価格も高騰しています。
ただ、キムチを作るのにはアミエビはどうしても不可欠です。
韓国では、アミエビのほかに、イワシやイシモチなどの塩辛をキムチの原料として使う方法もありますが、やはりアミエビの上品な風味には及びません。
韓国の政府が十数年前、「アミエビ塩辛を使って発酵したものだけをキムチと呼べる」と発表したことがありましたが、頷ける話です。
アミの他に・・・
やがちゃんキムチでは、タレの総量の15%をアミエビが占めています。これは日本ではもちろん、韓国のキムチでもありえない数値です。
それに加えて、国産の牡蠣とホタテ、それにあさりも大量に加えて、魚介の旨みを極限まで利用して味つくりをしています。
よく「やがちゃんの味わいは複雑で奥が深い」と言われますが、このような徹底した素材の研究利用があるからです。
ですから、化学調味料の使用で簡便に作るキムチとは、同じ視点で語っていただきたくありません。