食中毒の多い季節です。
食中毒は、冬場にノロウィルスなどの「ウィルス」原因のものが多く、梅雨時や夏場は「菌」によるものが多いといわれています。
高温多湿の今の時期、十分気をつけましょうね。
営業者として食中毒に気をつけている要点は、ご家庭でも通用することばかりですので、ご参考にしていただければ、幸いです。
1)洗う
洗うこと・・・これが食品衛生の大基本です。
手を洗う、食器、まな板、包丁を洗う、食材を洗う。洗い流してさえしまえば、菌は働きません。「水がもったいない」などといわずに、とにかく「菌を洗い流す」ことを徹底してください。
2)消毒する
最近は家庭用の消毒用アルコールなども、ホームセンターで気軽に買えます。当店でも、多用しています。
さらに、「次亜塩素」といわれる、塩素系の漂白消毒液も必須です。いわゆる、「キッチンハイター」ですね。これで、まな板、包丁などは定期的に消毒しましょう。また、排水パイプなどに詰まったヘドロから発生する虫(チョウバエ等)に対しても、この次亜塩素が非常に有効です。
さらには、熱湯消毒も有用です。面倒ではありますが、習慣付けましょう。
3)加熱する
ほとんどの食中毒菌は、75度以上の加熱を3分以上続けると、死滅します。
「煮る」「ゆでる」「焼く」「蒸す」「揚げる」等の加熱方法を、必ずこの温度と時間を意識して行ってください。その際、食材の中の温度が75度以上になっていることが必要です。
最近流行の「低温揚げ」などは、時間をかけて中まで温度を通し、さらに、150度以上まで温度をいったん揚げて、念には念を入れて、加熱するようにしてください。
4)冷蔵する
肉、魚、野菜などは、必ず冷蔵保管してください。調理前に菌が繁殖してしまっては、非常に危険です。
さらに、出来あがった料理の保管も、冷蔵が基本です。
スープやシチュー等も、出来上がったら放置せず、冷蔵庫で保管することが必要です。
お弁当を朝作り、ご主人やお子様に持たせることはどこでも行われていることですが、これでよく食中毒が起きます。朝からお昼までの間、会社や学校では「冷蔵保管」は普通出来ませんよね。
40度から50度という温度帯は、「セレウス菌」や「ウェルシュ菌」が急速に繁殖する温度帯で、もしお弁当の食材にこの菌が存在していたら、非常に危険なのです。
カレー、シチューなどを冷蔵保管するのも、これと同じ理由です。
「セレウス菌」や「ウェルシュ菌」は熱にも強いので、加熱調理でも死にません。まずは「洗い流す」ことが必要です。お弁当の素材も、十分洗ってからの使用をしてください。
5)菌のつくような道具は使わない
せっかく手を洗っても、それを拭く「タオル」には、菌がたくさんついています。
せっかくお皿を洗っても、それを拭く「フキン」にも、菌がつきがちです。
普通、当店のような営業者には、手拭用のタオルは存在しません。また、食器を拭くフキンも存在しません。すべて、「ペーパータオル」の使い捨てです。
また、調理作業中に「帽子」や「手袋」は営業者には必須アイテムですが、家庭でそこまで出来ないのもわかります。ならばせめて、手洗い、消毒はこまめに行うように心がけてください。
また、野菜などの食材を冷蔵庫に入れる場合も、ホームセンターで売っている「ポリ袋」などに入れてから保管するようにしましょう。むき出しのままの保管では、泥などがほかの食材についたり、また冷蔵庫の中で散乱したりして、結果として不衛生になりがちです。
6)発酵食品は安全です
菌は菌でも、安全な菌があります。発酵食品などを作る菌は人間にとって有用であり、また、有害菌を殺す働きも持ちます。これらを総称して、「乳酸菌」とも呼びます。
日本は世界に冠たる、発酵食品の王国です。
味噌、しょうゆ、酒、みりん、焼酎、漬物、酢、豆腐、納豆・・・和食に不可欠なこれらの食材は、食中毒を防ぐ食材でもあります。
当店のメイン商品のキムチなども、発酵食品を多用するだけでなく、キムチそのものが強力な発酵食品です。キムチの乳酸菌に出会うと、あらゆる食中毒菌が瞬時に死ぬともいわれています。
ただし、よく安売りされている添加物だらけのキムチでは、それを期待できるとは限りません。
数年前に北海道のキムチ業者で起きた食中毒は、ただ塩漬けの白菜に、添加物メインのタレを合わせるだけの「キムチ」だった故の事故だったと思われます。
「正しい発酵食品」を、ぜひ多食してください。
手前味噌ですが、「無添加」で「正しい発酵食品」のやがちゃんキムチは、創業以来、事故の経験が一度たりともありません。
◎まとめです
洗い流す
消毒する
加熱する
冷蔵する
これが食中毒を防ぐ4要素です。
それに加えて、「道具」のチェックや、「発酵食材」の多用もできていれば食中毒とは無縁の生活が送れるはずです。
さらに、人間にはもともと、ちょっとやそっとの菌なら抵抗する免疫力があります。
楽しく美味しい「食生活」を楽しんでまいりましょう!