その味、何の味?(2025/07/03)

サラダにかけるドレッシング、何がお好みですか? 私は、可能な限り「ドレッシング無し」で食べます。そのほうが、野菜の「素の味」が味わえるからです。 それでも、たまには「サウザンアイランド」とか、「和風ドレッシング」などをかけて頂くこともありますが、ごく少量にしています。 さて。
たとえばこの画像のように、サラダが隠れるようになるまで、タレをかけてしまったら、野菜を味わうのか、タレを飲むのかどちらか、と言われてしまいそうですね。 しかも、このタレ自体が「添加物」入りのものであったらどうでしょうか。 実際には、サラダだけでなく、いろいろな料理の場面でこういうことが起きています。 この絵の場合は大袈裟ですが、いわゆる「化学調味料」を使う場合、本質的にこれと同じことが起きているのです。 アミノ酸、イノシン酸等の旨味を模した「化学調味料」は、ほとんどの場合、白か透明の粉末で、目立ちません。 しかし、それを少量でも使うことになると、料理の味が一変します。 強力な旨味の呈示作用により、料理が「美味しく」感じられるようになるのです。 逆に、これを使わないと、全く旨味が感じられない、ということにもなります。 ところが、その「旨味」は、いったい何の旨味でしょうか? そうです。化学調味料の呈する、「旨味」もどきの「化学的な旨味」なのです。 ラーメン店で、丼に白い粉を入れている光景をよく見ますが、あれは化学調味料そのものです。 もしそれを入れ忘れたとしたら、そのラーメンはほとんど「腑抜け」のような味になり、少しも美味しいと感じられないでしょう。つまり、化学調味料の味自体がラーメンの味だと感じられているからです。 「中華の味」イコール「化学調味料の味」と勘違いされているお客さんやお店は、本当に多いのです。いや、おおいどころか、ほとんどがそうだといっても過言ではないでしょう。 だから、中華料理でもほかの料理でも、メニューが何であれ、同じ味を感じることが多いのです。 美味しいと思って食べているその味は、本当に自然の素材の旨味ですか? よく味わってみてください。 それは、化学調味料や酵母エキスの味ではないですか? こういうことは、日本中で本当によく見られる傾向です。 気をつけて下さいね。 本当の美味しさは、自然の食材の中にあります。 また、その食材の真の味わいを生かす、調理法や調理の「腕」にあります。 化学調味料や酵母エキスに頼る手法は、職人の恥です。 無添加製法の中にこそ、本来の美味しさがあるのです。