実るほど 頭を垂れる 稲穂かな

「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」

いい言葉ですね。

成功して偉くなった人ほど、言動は謙虚になるものだ、というたとえですね。日本人にぴったりの教えだと思います。

ところが最近、うちもそうですが、この言葉を忘れがちな傾向がありますね。

記者に激高して暴言を吐いたかと思えば、「震災は東北でよかった」などと口を滑らせた復興大臣。「言葉のあや」では片付けられませんね。復興大臣に一番なってはいけなかった人だと思われます。

フェイクニュースを鵜呑みにして、学芸員が諸悪の根源などと言い放った閣僚もいます。学芸員さんたちがどれだけ苦労して、国の宝を守って来てくださったか、学び直すべきです。(学ばないでしょうが)

不透明な寄付金問題を覆いかくそうとしているとしか思えない、首相。一言真実のことを言えばいいだけなのに、取り繕い、時に興奮する姿は、日本のリーダーとして似合わないとも思えます。

自分の腹を見せて、天下国家を論じて、誤ったことは正直に訂正謝罪する。
そういった「男の中の男」のような「偉い人」は、居ないものですかね?

昔は、そういう指導者がたくさんいたような気がしますが・・・。

・・・

などと、私自身も偉そうに言える訳はありません。

まだまだ、道途中。この歳になっても、毎日、わからないことだらけです。

あなたの職業は? と聞かれれば、今はすぐに「キムチ屋です」と答えます。

以前なら、「食品商社です」とか「グルメ関連です」などと、格好つけて答えていました。
そうすることが自分を「偉く」見せるような気がしたからだと思います。

でも、

キムチ屋です

 この手で作っています

 すべて無添加です

 和食や洋食からも学んでいます

などと、自分が本当に気持ちを入れてやっていることを一生懸命表現したほうが、よほど格好がいいですよね。

まだ、頭を垂れるほどに、実っていません。

まだまだ、現場で試行錯誤し、お客様から叱咤激励されながら、味つくりにまい進するしかありません。

冒頭の大臣さんたちを見ながら、「人の振り見てわが身を直せ」ですね。

がんばります。

25年前の記憶の食べ物・・にらスタミナ薬味

記憶に残る味、ありますか?

あの時あそこで食べたあれを、また食べたい!・・・と思うことはありませんか?

ありますよね。ところが、それがどんなものだか、詳しいことはなかなか思い出せない。
でも、美味しくて感動したことだけは覚えている。

ああ・・なんだっけなあ・・・・思い出して、またそこに行って、食べたいなあ・・ということ、ありますよね。

私がそう思い続けたある「モノ」があるんです。

キムチ屋を始めて間もない、今から25年ほど前のこと。
唐辛子を仕入れに、韓国のソウルから車で数時間かかる、コチャンという農村に行った時のことです。

用を済ませるともう、夕方。案内役の方と、その村の食堂のような店に行って食事をしたのです。

何をメインに食べたかも忘れましたが、テーブルの上に、ニラのような、或いは葱のような野菜を小切れにして、醤油のような液体につけた調味料が置いてありました。自由に取って食べていいのです。

それを、ご飯に乗せて食べました。あまりに美味しいので、メインのおかずにはあまり手を出さずに、そればかり食べました。記憶に残っているのは、そのことばかりです。

その記憶が、頭からずっと今まで消えないで来たのです。

それを再現できました

そして、25年後の今、それを再現する気になり、ここしばらく躍起になって試作を続けて来ました。

ニラにしようか、ネギにしようか・・・辛味はどうしようか、甘みをどう加えようか・・・あれこれと試しました。

そして出来上がったのが、これです。

「にらスタミナ薬味」

ネーミングはちょっと固いですが、25年前の記憶をもとに、いいものができたと思います。

25年の間、全商品の無添加化や、醤油だれ、みそだれ、オリーブ七味、唐揚げ等の肉用のたれ、等々、新たな味の開発にまい進してきた結果が、この再現につながりました。

いや、再現以上のものができたと思います。

もちろん、無添加です。

この薬味は、このままご飯のおかずにもなります。薬味として、麺類や鍋物の取り皿に入れて使えます。

天ぷらのタレとしても最高です。うどんやラーメンに乗せると、おお、とうなるほどに美味しくなります。

使い方は、ご自由。きっと、記憶に残る味になると思いますよ。

ホームページはこちらです

にらスタミナ薬味

桜の寿命は60年? ではやがちゃんキムチは?

今年の桜は遅いですね。入学式の終わった今頃、ようやく満開です。

桜の花がここまで日本人に愛される理由は何でしょうか。

冬が終わりを告げ、春がようやく来たことの証の花だから。

 出会いと別れの季節に咲き誇る花だから。

 一斉に咲く華やかさと、一斉に散るはかなさを併せ持っているから・・・・・

理由はいろいろでしょう。そして今年も咲き、満開の日曜になるはずだった本日の千葉は、雨。
花散らしの雨になってしまいました。

ソメイヨシノの起源は?

江戸時代の末期に、江戸の染井村の植木屋が、奈良の「吉野桜」を真似て作った桜。だからソメイヨシノというのだそうです。最初の一本から接木をしてどんどんと増やし日本中に。接木だから、同じ遺伝子で、果てしないクローンの連鎖の花ということになります。

クローンなので、木が成長して密生して来ても、互いに嫌がらないそうです。だから、驚く程に密度の濃い桜並木が生まれるわけですね。

なぜ寿命が60年?

よく、ソメイヨシノの寿命は60年といわれます。これは、上記のように密生してくると、互いに陽光を遮ってしまい、枯れて来ることからだそうです。
また、30年くらいかけて並木が育ってくると、「桜の名所」として人が押しかけ、根の張る地面を踏みつけてしまい、これも枯れにつながるそうです。

もともと人工的に作った花だからこそ、こういう理由で消滅していくことは仕方ないことでしょうか。

もちろん、こういった特質を理解して、人間の側が万全の注意をすれば、桜の絶景はまだ長い間楽しめますね。

さて、うちの商品は?

論理が飛躍しますが、やがちゃんキムチの寿命は何年でしょうか? と、やや深刻なことまで考えてしまいます。

たくさんのお客様に愛していただいている「やがちゃんキムチ」。毎日必死に作っております。

年頭にも書きましたが、私は、商品を「作品」と考えて作っております。
それを召し上がる方から愛でていただけるような作品。
ただの利益を上げるための手段とは、まったく考えておりません。

この考えは、年々高まってきています。

まずは、作り手がいる限り、作品は作られます。

「寿命」のことは今敢えて考えず、お客様お一人おひとりのご満足を呼べるような、「いつでも唯一の品」と思って頂けるような、無添加で美味の「作品作り」を続けてまいります。

味の合わせ技

柔道の国際ルールが変わり、「合わせ技一本」がなくなったそうですね。

今までは、「技あり」を二度取ると、「合わせ技」として、一本勝ちが認められていたのに。

それでも、味の世界では、「合わせ技」は大有りです。

合わせ技の定義・・・by やがちゃん ですが・・

異なる風味の味を一緒に使うと、おいしさが倍加する!

ということなんです。一例ですが、

●赤味噌だけ、白味噌だけの味噌汁より、「合わせ味噌」の方が美味しい

というのがありますね。ほかの例ですと・・

●豚だけの挽肉、牛だけの挽肉より、両方使った「合い挽き肉」の方が美味しい!

ということもあります。

どうしてこういう事が起きるかというと・・・

★異種の味の組み合わせは、互いの特徴を引き出し合って、より良い風味を感じさせる

ということですね。

「お出汁」でもそれはいえます。

煮干だけ、昆布だけ、しいたけだけ、の出汁より、それを一緒に使った出汁のうまみは、はるかに強くなります。
やがちゃんキムチが自作している出汁は、この組み合わせです。

科学的にいうと、煮干のイノシン酸、昆布のグルタミン酸、しいたけのグアニル酸が混ざって、相乗効果で強いうまみを作り出すのです。一説によると、単体の出汁と比べて、2の3乗、つまり8倍の旨みになるそうです(詳しくはわかりません)

「おしるこ」お好きですか?
小豆を砂糖で煮た後、一つまみの「塩」を入れると・・・甘みが増します。

「カレー」を美味しくするには・・・?
うちでは、ビールを入れます。そうすると、ビールの苦味が、カレーの旨みを引き出すのです!

いろいろと工夫すると、面白いですよ。

合わせ技一本! 決めましょう!