こうして、この「塩」を使って漬かり上がって来た白菜は、まさに旨味に満ちて、食感も滑らかで、それだけでご飯が何杯も食べられるほどの味わいを持ちます。
この白菜に、「キムチのタレ」である「ヤンニョムジャン」を塗ると、極上のキムチに仕上がるわけです。
やがちゃんキムチのヤンニョムジャンに関しては、拙書「キムチで簡単ダイエット」で詳しく述べていますが、山海の自然の素材の宝庫ともいうべき、まさに天然の旨味の固まりとも呼べるものです。
そして、この「別物の」特別なキムチに使うヤンニョムジャンには、通常のヤンニョムジャンに加えて、さらに「美味の工夫」を加えてあります。
特徴的な点は、日本の食文化の特徴ともいうべき、「発酵調味料」を多用している、という点です。発酵調味料とは、製造過程で発酵現象を伴うもので、強い旨味を持つ調味料です。具体的には、酒、みりん、酢、味噌、醤油などです。
普通、韓国生まれのキムチのタレには、このような調味料は使いません。
直線的で刺激的な味わいを好む朝鮮半島の食文化からは、そういう発想は出てこないのだと思います。
しかし、「旨味」という「丸く深い」味わいを重視する日本の食文化の中で、こうした発酵調味料の役割は重要です。キムチといえども、使っていけない法は無いのです。
もともと日本酒を使っていたやがちゃんキムチのヤンニョムジャンに加え、醤油、みりん、酢、果汁などから作った醤油系のタレと、味噌、みりんなどから作った味噌系のタレを加えたものが、この別物のキムチの専用のタレとなります。
もちろん、化学調味料などは、一粒も加えていません。
それでいて、この旨味の力強さ。さらに、上品なテイスト。
開発した特別の「塩」で漬けあがった白菜に、この特製ヤンニョムジャンを塗る・・。
これで、この特別な白菜キムチが完成します。
味わってみると、その食感、香り、旨味、辛味・・・全てにおいて、かつて無かったレベルに仕上がりました。
まさに「別物」ですが、それだけでなく、これは、キムチの頂点にも位置するのではないか・・・。そういう確信を持つに至りました。
2011年2月に発売したこのキムチは、当初「別物キムチ」と名乗ってましたが、程なく、
白菜キムチ 頂(いただき)
と名前を変えました。そして発売当初から、このキムチは多くのご反響を頂いたのです。