そうして漬かり上がった白菜をどうするか。
一般的な作り方では、重石をして丸一日か二日で漬かり上がるその白菜を、水洗いします。
そうしないと、塩分が強すぎて食べられないからです。それほどの塩分を加えないと、白菜が漬かり上がらないということでもあります。
ところが、「別物キムチ」の作り方は、この「水洗い」をしません。
漬かり上がった白菜をそのまま使うのです。(もちろん、塩漬け前には完璧に清潔に洗ってあります)
これは、開発したその塩の旨味と塩味がマッチしていて、かつ浸透圧が強く、適量を使えば、丁度良く漬かり上がるからなのです。
水洗いしてしまえば、せっかく白菜に沁み込んだその塩の美味しさが流れ出てしまうことにもなります。
そのまま使うのですから、使った塩の旨味は、そっくりそのまま残ることになるわけです。
さらに、重石をしないので、白菜が硬く固まりません。
このキムチの白菜の表面は、市販のキムチのように「ぺったんこ」に平らになっては居ません。白菜の表面は丸みを帯びたままで、まさに、「そのまま漬かった」感じであるのです。
これは、白菜の内部から美味しさが流れ出ていない証拠でもあります。
従来の白菜の漬け方の常識を破ったこの方法は、新開発した「塩」がなければ実現しなかったことです。
白菜の美味しさをそのままに、あっという間に漬け上げてしまう。
まさに、「別物」の漬け方になりました。