5) 唐辛子の魔力

唐辛子

さて、キムチの象徴、魔法の粉、「唐辛子」。

唐辛子は、野菜ではなく、果実です。ピーマンの仲間でもありますが、辛さの成分「カプサイシン」が豊富で、健康効果が非常に多い注目の食材です。

まず、防腐作用。

韓国のキムチの前身の「チムチェ」は、前述のとおり、野菜に魚介塩辛を使ったものでしたが、これに唐辛子が加わったことにより、保存性が増しました。

基本的に、キムチが腐敗する、ということは、本来はありません。

塩辛に多量に含まれる乳酸菌で、たいがいの有害な菌は死んでしまいます。ノロウィルスなども、乳酸菌に出逢えば一瞬で死ぬと言われています。

これに、防腐作用の強い唐辛子が入ったわけですから、キムチの保存性は抜群です。

ただしこれは、きちんと魚介塩辛や一定量以上の唐辛子を使った場合の話です。スーパーに大量陳列されているようなキムチは、要注意ですよ。

辛味作用

もしキムチが辛くなかったらどうでしょう?

それはそれで美味しいかもしれませんが、唐辛子の辛味と独特の旨み、甘味があって初めて、キムチの豊かな味わいが出るのですよね。やはり欠かすことのできない食材なのです。

発汗、免疫、ダイエット作用

最近、カプサイシンによるダイエットが話題になっています。

唐辛子が体に入ると、脂肪が燃えて体が熱くなります。既にこれだけでダイエットですね。同時に免疫作用が活発になり、菌やウィルスに対する抵抗力が増します。キムチを毎日食べていると風邪を引きにくいというのは、誰もが実感できることですね。

この後ご紹介するキムチのレシピでは、唐辛子の使用比率は、一般的なキムチよりも相当に高いものとなっています。

まさに、健康的なダイエットに適したものとなっているのです。

-用意しましょう-

・キムチ用唐辛子   韓国食材店などで、1袋1000円~2000円で売られています。
やがちゃんキムチでも手に入ります。
必ず、「キムチ用」と書かれたものにしてください。オレンジ色の細かな粒子の調味用唐辛子は、キムチには不向きです。