キムチには、このように、豊富な魚の旨味を加えるのが本来の姿ですが、実は、魚だけではなく、お肉の旨味も加えることをご存知でしょうか。
実はこれ、現在では韓国でも知らない方が多いのです。
しかし、少し前まで、各家庭で「オモニ(お母さん)」がキムチを作る場合には、主に牛の尻尾のスープ(コムタン)を取って、それに唐辛子や魚の塩辛を混ぜてペースト状にして、ヤンニョムと呼ばれる「キムチのタレ」を作っていました。
しかし今は、韓国といえども、いちいち牛の尻尾を煮込むことは殆どしません。価格も高いですし、何時間も煮込むことは大変な手間です。
そこで、「ダシダ」と呼ばれる、化学調味料たっぷりの粉末スープを溶いて代用するようになりました。韓国のキムチが美味しくなくなった最大の理由は、実はこの「化学調味料入りダシダ」の登場にあると、私は感じています。
さて、日本。
日本には、お肉の旨味をたっぷりと取る食文化が根付いていますね。
何を指して言っているか、お分かりですか?
そう、「ラーメンのスープ」です。
鶏肉、鶏ガラ、豚肉、豚ガラをトロトロになるまでに煮込んだ、「ラーメンスープ」
韓国は牛の尻尾を使いますが、日本人の味覚には、このラーメンスープがピッタリ。
もちろん、化学調味料などは加えません。
魚の美味しさが「旨味」であるならば、お肉のスープの美味しさは、「コク」という言葉がピッタリです。
旨味とコクが加わって、キムチのタレは、俄然美味しく、そして栄養豊富になるのです。
やがちゃんキムチは、このラーメンスープを、毎日10時間かけて作っています。
高カロリーになるのではないか、と疑われるかも知れませんが、単位あたりのキムチに使うスープの量はわずかで、心配ありません。
-用意しましょう-
・鶏ガラ、豚ガラ ・・・お肉やさんに行くと、たいていあります。
・鶏肉(もも)、豚小間肉でも代用できます。