上手に作るより、何を思い作るか

いきなりですが、

カレーはどんなカレーが好きですか?

 

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おそらく、殆どの方の答えが一致すると思います。

それは、

「家のカレー!」

でしょう。

世の中にはカレー専門店が山ほどあり、最近は本場のインドやネパール料理の専門店がどんどん出来ています。

一流ホテルやレストランでも、カレー料理が売り物のところが結構あります。

それでも、殆どの方が「うちのカレー!」と答えるのは、なぜでしょうか?

多くの方が使っているでしょう、市販のカレールーがよく出来ているからでしょうか。
まあ、それも一部あるでしょう。
でも、本質は違うところにあると思います。

どう作るかではない

私はキムチ屋ですが、日本人です。キムチを食べて育った訳でもなく、中年になってから事情があり始めたのがキムチ屋です。
キムチの作り方を覚えるとき、在日の韓国の方々に、何度も聞きました。
「キムチをおいしく作るコツって何?」と。

答えは、驚くほど一致していたのです。それは、最後の行に書きますね。

今朝の、NHK朝ドラ「べっぴんさん」。

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主人公の女の子が、家を抜け出して、町の靴屋さんに駆け込み、靴を作るところをこっそりと見せてもらいます。病に臥すお母さんに刺繍を縫ってあげようとしたけどうまく出来なくて、そのコツを靴屋さんに教わろうとしたのですね。

すると、市村正親さん演じる靴屋さんはこう言います。

「上手に作ることより、誰がどんな思いで作るのかということが一番大事なんです。そうして思いをこめているうちに、自然と上手になるものなんです」

つい先ほど見たシーンでしたが、いいシーンでした。

誰が何を思い作るかです

冒頭のカレーの件。

どんな一流シェフよりも、うちの人が作るカレーの方がおいしいのは、同じ理由ですね。

何を入れるとか、どのルーを入れるとか、レシピがどうのかではありません。食べる人のことを一番愛する人が作る「おうちのカレー」が、この世で一番美味しいのです。

私にキムチつくりのコツを問われたおばさんたちは、みなさんこう答えてくれました。

「気持ちだよ。もっと美味しくなって、食べる人に喜ばれなさいっていう、気持ちだよ。それが美味しく作るコツなんだよ」と。