スポーツマンシップと武士道

相撲の北の湖さんが急逝されました。驚きました。

現役時代、憎らしいほどに強くて、口数も少なく、どちらかといえば「近寄りがたい」雰囲気のある方でした。
押し出した相手にも手を貸さず、(以下の写真の千代の富士にも手を貸していませんね)

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「冷たい」と言われたこともあったようですが、ご本人があとから語るには、

「負けた相手に失礼に当たるから」ということだったそうです。「惻隠の情」のある、武士道精神にも通じる心配りのできる大横綱であったということですね。

さて、野球の世界では、プレミア12という大会が開かれ、優勝候補の日本が準決勝で韓国に敗れ、小久保監督の采配に批判が集中したようです。

でも、考えてみてください。毎日間近に選手を見て、プロとしてあれこれ悩み続けて、その結果ああいう采配を選択をして、それで負けただけです。勝負は時の運。監督も選手も全力を尽くした結果、試合に敗れただけです。

その結果を素人の私たちがやいのやいの言ってどうなるんでしょう。

一番傷ついているのは監督ご本人。まずは「お疲れ様でした」とねぎらい、夢を与えてくれたことに感謝しなければ。

Samurai Japan Press Conference & Training Session

日本に勝った後、決勝でもアメリカを下し優勝した韓国の金監督は、恒例になっていたマウンドに国旗を立てる「儀式」をせずに、きちんと整列して、日本の観衆に礼をしたそうですね。

「実力は日本がナンバーワン。小久保監督は敗戦を糧に、大監督に成長されると思う。国旗を立てなかったのは、日本の方に失礼に当たると思ったから」と言われたそうです。

まさに、武士道精神。言葉を変えれば、これぞ、スポーツマンシップ。

賭博問題を覆い隠すような体質を持つ日本球界の方々には、もっとこの精神をお持ちになっていただきたいと思います。賭博問題を起こした巨人所属の代表選手が台湾で乱痴気騒ぎを起こすなど、言語道断だと思いました。

ちなみに、キムチ屋ですが、私は生粋の日本人です。よく韓国人の方と間違えられますが、嫌だと思ったことは一度もありません。

人を傷つけない。偏見を持たない。正々堂々と対する。惻隠の情を持つ。気配りをする。

人は生まれる国を選べないのですから、どこの国の人間だからというだけで色眼鏡をかけるのは、恥ずかしい行為だと思います。

「勝負」だけにこだわると、大切な心を失いがちです。

私たちは、「武士道」や「スポーツマンシップ」に、もっと学ばなければいけませんね。
それが無益な争いを避け、平和につながることだと思うのです。
物事は、勝ちと負け、数字の大小だけでは語れるものばかりではないのですから。