味は文化であり、化学ではない

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だし



「だし」(出汁)の文化は、世界中にあります。

国によっては肉から取りますし、野菜や魚介類からとるところもあります。
だしを取るという行為は、人間が「より美味しいものを食べたいと」いう欲求
の現れなのでしょう。天然の素材を加工して、より美味しくして食べるのは、
人間だけです。

「食文化」という言葉は、空腹を満たし栄養を摂取するだけでない人間の「食」
の側面を表す言葉です。
その文化の第一歩が、「だし」であると思います。

その中で、和食のだしは、非常に優秀で効果的な味の技術の現れです。

凡そグルメを自認する方は、まず、だし昆布を水に1分浸けて出てくる「味」
を確認してください。それが、グルタミン酸の本来の味です。

そして、鰹節を削ってさっとお湯をくぐらせた時の香りと味わいを見てください。
それが、イノシン酸の味わいです。

そして、干し椎茸を一晩水に浸けた時の旨さを知ってください。それが、
グアニル酸の味わいです。

そしてこの3つの味わいが重なったら、どういう事になるかも確認してください。

 

そういうこともせずに、ただ市販の化学調味料という添加物に頼るという事だけは
避けてください。
それは、人間の自然の営みから離れてしまうことだとも思います。添加物は安全である、添加物は食の安心のために必要なのだ、と主張する方もいらっしゃいます。
でも、少なくとも、それは「文化」ではなく、「化学」ですね。
やがちゃんキムチは、「味は文化」だと思っています。

by やがちゃん of やがちゃんキムチ

(2013年1月から6月までのブログはこちらです)